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コラム

減量加工について

公開日:
2021.06.26

生地の染色整理加工のひとつに、減量加工というものがあります。
減量加工とは、合成繊維であるポリエステル繊維に対して効果のある、芯を無くして柔らかく、ドレープのある風合いを持たせる加工になります。

今回は、この減量加工についてご紹介します。

減量加工の原理

合成繊維であるポリエステル繊維は、剛直性があり、同じく合成繊維であるナイロンと比べ、硬い繊維になります。しかし、ポリエステル繊維を高濃度のアルカリ液(水酸化ナトリウム水溶液)で加水分解処理をすることで、繊維自体の硬さが取れ、糸自体がやわらかくなる効果が得られます。減量の度合いは様々で、数%~50%までの減量率が存在します。染色加工工程の後加工などの樹脂加工とは違い、繊維自体を改質するような加工になります。

減量加工の効果

減量率が増加するにつれ繊維の直径は比例して小さくなります。物理的に繊維の直径も小さくなるということです。小さくなる=曲げに対する抵抗も減るので、柔らかく、シルクのようなしなやかなドレープ性を付与することができます。

ただし、糸を削っていることに他ならないので、減量しすぎると生地の破れなど物性の安定性に影響します。どんな太さの糸で、どんなゲージで編んだ生機に対し、どれくらいの減量率で減量加工するのか、生地屋の腕の見せ所になります。また加工においても、減量率のコントロールは難しく、大変な技術力が必要な加工で、染色加工会社の中でも経験の積んだ方が加工の管理をしているほどです。

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