毛玉はなぜできる?
毛玉は、生地の表面が着用中に摩擦され、毛羽立って絡み合うことでできます。そのため、短繊維からなる紡績糸はもともと毛羽立っているため発生しやすいです。ですが、もともと毛羽のない長繊維(フィラメント)で編まれた生地もフィラメントが摩擦によって切れ、毛羽立ち、毛玉を発生させることもあります。
毛玉のできやすい生地って?
毛玉のできやすい素材で特徴的なものは、ポリエステル・レーヨン・アクリルなどの石油から人工的に作られた化学繊維素材です。これらの繊維は天然繊維に比べて強度が強く、摩擦にも強いのが特徴です。そのため、摩擦が起きても繊維が脱落しにくく、毛羽が生地表面で絡まりあって毛玉を形成してしまいます。
一方、ウール素材は動物由来の天然繊維ですが、毛玉ができやすいです。糸の撚りが甘く、ふわふわな風合いの素材が多く、摩擦によって毛が絡まりやすいためです。
同じ天然繊維でも、植物由来の綿や麻、絹は毛玉が特にできにくい素材です。これらの素材は摩擦にも強く、繊維が絡まりあうことも少ないので毛玉ができにくいです。
毛玉のできやすさの指標(ピリング試験)
毛玉ができやすい生地かどうかの指標となる「ピリング試験」があります。
この試験は、生地に一定の摩擦を加え、できた毛玉の数で評価します。毛玉が大量に生じた1級から、ほとんど生じなかった5級まで等級があります。一般的には3級以上だと大型の百貨店にも並ぶアパレルの生地として採用されます。
ノリタケの生地
弊社の生地は、百貨店に並ぶアパレル様基準で作っていますので、ほとんどがピリング3級以上です。毛玉ができにくい生地を作るためには、糸、生地の組織、染色加工など様々な工夫や技術が必要です。
せっかく作った世界に一着しかない服、長く愛用していただけるように、丁寧にお手入れしていただくことはもちろん、「毛玉ができにくい」という点も、生地選びのポイントになるのではないでしょうか。
一般的に毛玉ができやすいとされる化学繊維素材を使用した生地でも、当店にはピリング3級以上の素材がたくさんあります。ぜひお試しください。
とは言っても、、
とは言っても、何度も着たり洗濯をしたりすることによって、毛玉はどうしても出来てしまいます。
お気に入りのお洋服、綺麗な状態で長く使いたいですよね。毛玉ができにくくするお手入れ方法、またできてしまった時の対処方法については次回のコラムでご紹介します。