毛玉ができやすい生地って?~ピリング試験~のコラムでは毛玉ができやすい素材や毛玉のできやすさの指標についてお話ししました。
今回は毛玉ができにくくするお手入れ方法、毛玉ができてしまった時の対処法についてお話します。
毛玉ができにくくするお手入れ方法
まず、お手入れ方法についてです。
毛玉ができる一番の要因は「摩擦」です。洗濯をする際に、この摩擦を少しでも減らすことが大切です。
①裏返しにして洗濯する
裏返しにすることで、洗濯時の生地表面の摩擦が減らせます。
②洗濯ネットに入れる
ただし、入れすぎには注意です。かえって摩擦が大きくなってしまう場合があります。
③洗濯機に詰め込みすぎない
洗濯機の適正容量を守りましょう。詰め込みすぎると衣類同士の摩擦が起こりやすくなり、毛玉の原因となります。
④洗濯機のドライコースで洗う
通常のコースよりも、洗濯槽の中で衣類の動きが少ないので、摩擦が軽減できます。
毛玉は日々の積み重ねで少しずつ成長していきます。毎日の優しい気遣いで、綺麗な状態を長続きさせることができます。
毛玉ができてしまったら?
みなさんはこんな経験ありませんか?
「わっ、毛玉できちゃってる!引っ張ってとっちゃお!」という経験、、。私はあります。その場では一見綺麗になったように見えますが、とってもとってもキリがない毛玉の大群。しかも気のせいかだんだん生地が薄くなっているような、、。
これ、気のせいじゃないんです。毛玉を引っ張って取ることで、まわりの綺麗な部分の繊維も一緒に引っ張ってしまい、生地自体が薄くなってしまいます。
正しい方法で毛玉を取ることが長く綺麗にご使用する上で大切です。
まず、事前準備として
・洋服にブラシをかけて繊維の方向を整える
・毛玉部分をガムテープなどで上に浮かせる
がポイントです。きれいに取りやすくなります。
毛玉を取る方法はいくつかあります。
①ハサミで切る
浮き上がった毛玉をひとつひとつ丁寧に切っていきます。時間と根気が必要ですが、一番きれいに安全に毛玉を取ることができます。
②T字剃刀で切る
毛玉部分を優しくこすります。力をいれすぎたり、何度も同じ場所をこすったりすると生地を傷つける恐れがあるので注意です。
③電動毛玉取り機や毛玉取りブラシを使う
簡単に広範囲の毛玉が取れます。生地によっては負担が大きすぎるものもあるので注意が必要です。ブラシはできるだけ目が細かく、柔らかいものを選びましょう。
毛玉が大量にできでしまう前に、丁寧にお手入れすることで綺麗な状態を長続きさせることにつながります。
ちょっと面倒だな、と思うかもしれませんが、ハサミでチョキチョキする作業は一度やったらはまってしまうかもしれません。(笑)