服を作る際、生地にパターンを写して裁断しますが、布を裁つというのは、ただハサミを使ってザクザクと切るだけではないのです。パターンに沿って布を美しく裁断することは、その後の縫製にも大きく関わってきます。
ここでは、主に裁ちばさみを用いて布をキレイに裁断する方法を紹介します。
裁ちばさみ
布を裁断する際には、普通のハサミではなく裁ちばさみを使用しましょう。
ここで注意なのが、裁ちばさみは絶対に布以外を切ってはいけないということです。
刃渡りが長く切れ味の良い裁ちばさみは、つい紙なども切ってしまいたくなりますが、紙を切ると刃こぼれなどの原因となります。（裁ちバサミと紙を切るはさみは何が違う？の記事もご覧ください。）
また切れ味を損なわないようにお手入れをすることも必要となってきますが、その結果シャキシャキと心地よく布を裁断することができ、シャープな切り口となります。
ロータリーカッター
布を裁断する道具には、裁ちばさみの他、ロータリーカッターがあります。
ロータリーカッターというのは、丸い歯の付いたカッターです。コロコロと転がして裁断できる為、裁ちばさみでは正確に裁断することが難しい曲線も比較的正確に切ることが出来ます。
裁断の際の注意点
裁断する際には、むやみやたらと布には触れないで置いた状態にします。不必要に布を持ち上げることで、切るべき線がブレてしまう可能性があります。刃先を浮かせないようにし、裁ちばさみと自身の重心が常に中央になるように進んでいきます。つまり、布やハサミの向きを変えるのではなく、自分の身体を動かしていきます。
また、裁ちばさみはチャキンと閉じ切らずに、少し刃先を残した状態で進めていきます。刃を閉じ切ってしまうと、裁断した線がガタつきやすくなります。
裁ちばさみで布を裁断している最中は息を留めろ、と言われた事があります。
布を美しく裁断するということはそれほど奥が深いということですね。