洋服の商品名で「○○天竺」や「スムース○○」というものを見かけたことはありませんか？この「天竺」や「スムース」というのはニットの組織（編み方）の名称です。一括りにニットと言っても様々な編み方があります。今回はその中でも代表的な「天竺」と「スムース」について解説していきます。この二つの組織、ぱっと見は同じように見えるので、違いを知っておくと、服選びや、自分で服を作る際の生地選びに役立つかもしれません。
天竺
天竺は表面だけを編む組織です（表にVのような形の編み目ができます）。そのため、生地の表裏で編み地の見え方が違います。
表だけを編むので、スムースに比べて生地が薄く、軽いです。ただし、生地を裁断した時に端がクルンと丸まってしまうので縫製の難易度は上がります。Tシャツには天竺の生地が使われていることが多いです。
スムース
天竺が表面だけを編んでいるのに対して、スムースは表と裏両面を編む組織です。そのため、表裏の見え方は同じです。
両面を編むので、天竺と比べると程よい厚みがあり、しっかりしています。天竺よりスムースの方が裁断時に端が丸まりにくいので、洋裁初心者の方はスムース生地の方が扱いやすいと思います。両面が滑らかなので、ベビー服や、秋冬もののカットソーなどにいかがでしょうか。
ここで言う、組織（編み方）の違いによる厚みや重さの違いは、同じ糸で同じ詰まり具合の生地の時に言えることです。糸の太さや、生地の詰まり具合によっては、天竺でもしっかりとした厚みのある生地を作ることができます。生地は様々な要素から成り立っているのですね。説明し始めるとキリがないので、今回は割愛。生地の世界は奥が深いです。
是非、身近な服を観察して「これは天竺かな？スムースかな？」と探してみてください♪
ECサイトで天竺とスムースを見分けるには「〇〇天竺」や「スムース〇〇」のように商品名に含まれているとわかりやすいですが、表記が無い場合、生地の表と裏が見える写真が無い限り判断はできません。
maruamで取り扱っている生地は全て組織の表記をしているので、参考にしてみてくださいね。