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コラム

衣料に使われる繊維

公開日:
2020.11.27

突然ですが私たちが来ている衣服のほとんどは糸を布にして作られていますが、その布のもととなる糸もほとんど繊維から出来ています。そんな私たちの生活、生きていくために必要不可欠な繊維ですが、たくさん種類があるのをご存知ですか?

ここでは、そんな繊維の種類や特徴糸の種類について解説していこうと思います。

まず私たちが毎日身に着けている洋服の、衣料用繊維の名称は家庭用品品質表示法により指定用語として定められています。これには混率や洗濯のやり方まで表示することが義務づけられています。
繊維の種類は大きく分けて天然繊維化学繊維に分類されます。ここからさらに化学繊維は、再生繊維半合成繊維合成繊維に分けられます。

天然繊維


 綿

わたの実についている繊維をそのまま使用したものです。主成分はセルロース。セルロースは強くて吸湿性が大きく濡れると余計に強度が増します。伸びは悪く、しわになりにくいです。やわらかくて肌触りがいいといった特徴があります。
用途:肌着やシャツ、ブラウス、パンツ、浴衣など直接肌に触れる部分の多い衣服

 麻

亜麻(あま)の茎から採取した繊維です。主成分は綿と同じでセルロースのため共通の性質を持っていますが綿より吸湿性は大きく、しわの付き方も強いです。繊維自体が平滑でかたく、接触冷感があります。
用途:主な用途は夏用の服地、シャツ、ブラウス、ワンピース

 毛

羊ややぎなどの動物の体毛を刈り取った繊維で、規則的なちぢれを持っているため、布地にすると絡み合い、間に空気の層を作るため保湿性に優れています。繊維の表面は鱗状になっており、濡れた状態でもむと絡み合い縮んで固くなる性質(縮充性)があります。主成分はたんぱく質なので吸湿性が大きく、しわになりにくいですが、日光により黄色くなり虫害を受けやすいです。また、鱗片には撥水性があり、穏やかな光沢も持ちます。
用途:コート、スーツなどの外衣やセーター、マフラー

 絹

蚕のまゆから取り出した繊維で、ほかの天然繊維と異なり一本の長い繊維が取れます。
絹の美しい光沢としなやかさは三角形の繊維断面と繊維の細さによるものです。主成分はタンパク質で、毛と同様に吸湿性は高いですが、日光に弱く、虫害にも注意が必要です。 日本では昔から養蚕が盛んだったため、和服には絹製品が多いです。
用途:主に和服、その他ドレス、ブラウス、ネクタイ、スカーフなど高級素材



化学繊維

 

再生繊維

レーヨン

木材パルプを原料とした繊維で、主成分は綿と同じセルロースです。そのため綿に似た特質を持っていますが、綿と異なり水にぬれると弱くなるため洗濯には注意が必要です。
用途:肌着、裏地、服地、ブラウス

キュプラ

ワタの実から綿花をとった時に残る短い繊維を原料とした繊維で、成分はまたも綿と同じセルロースです。やわらかい感触と絹のような光沢をもちます。繊維が短いため薄手の物が多く、レーヨンと同様に洗濯には注意が必要です。
用途:肌着、裏地、裏地の織物、服地、ブラウス、和服

半合成繊維

アセテート

木材パルプに酢酸を反応させて作った繊維で、綿と合成繊維の中間を持った繊維といえます。綿より軽く適度な吸湿性があります。また、綿に似た光沢と感触を待ち、発色性に優れています。
用途:服地、裏地、プリントワンピース、フォーマルウェア、コート、ブラウス

プロミックス

牛乳タンパクにアクリルの原料を反応させてつくった繊維で、絹によく似た美しい光沢と温かい感触が特徴です。現在は生産終了しています。
用途:和服や和装品、ブラウス、スカーフ

合成繊維

ポリエステル

繊維原料液を円形の小さな穴から押し出して固めて繊維にします。ポリエステルとはポリエチレンテレフタラートでペットボトルの原料と同じです。特に強度が大きい繊維の一つで熱や日光、薬品にも強いです。また、しわになりにくく吸湿性が小さいためすぐに乾きます。
用途:スーツ、コート、ワイシャツ、スポーツウェア、学生服、作業着

アクリル

毛に似たかさ高感をもち、軽くて保湿性が大きいです。また、発色性がよく、鮮やかな色を示します。熱には弱いですが水や日光の影響、虫害は受けません。
用途:セーター、スーツ、スポーツウェア、肌着、パジャマ

ナイロン

摩擦や折り曲げに対して特に強い繊維です。一方で、しなやかな感触を持っています。このため軽くて薄い織物や編み物を作ることができます。弾力性にも富んでいます。
用途:パンティーストッキング、靴下、水着、スポーツウェア

ポリウレタン

ゴムに似た伸縮性があり、引っ張ると5~7倍に伸びます。ゴムより強く、自由に染色もできます。伸縮性が大変大きいのでほかの繊維と混ぜて使われています。 米国ではスパンデックスと呼ばれています。
用途:ガードルなどのファンデーション類、肌着、靴下、水着、スラックス


このように天然繊維と化学繊維にはたくさんの種類があり、繊維によって似たような特徴を持っていても吸湿性や光沢感、伸縮性、洗濯の方法によって様々な用途があります。

ここまで繊維や、繊維の種類、繊維別の用途、糸について解説してきましたが少しでも知識が増えましたでしょうか。maruamでも様々な繊維を使った生地を取り扱っているので、ぜひチェックしてみてください。

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