リネンと麻
みなさんは、衣類をはじめとしたテキスタイル素材において「リネン」と「麻」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
「同じような意味だとも思うし、違うと言えば違う気がする」少しあいまいに捉えられがちなこの二つ、いったい何が違うのでしょうか。
意味・定義
まず、麻類の中には、代表的なものに亜麻(あま、リネン)、苧麻(ちょま、ラミー)、大麻(たいま、ヘンプ)、黄麻(こうま、ジュート)などがあります。このことから、「リネン」は「麻」の中の1種ということになります。ウィンナーとソーセージの関係に似ていますね(ウィンナーはソーセージの中の1種と言われています)。
ちなみに、単純に麻といえば、広義にはこれら全てのこととして差し支えないでしょうが、品質表示法において麻と呼べるのは、亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)のみに限られます。
リネンには布という意味もある
それではなぜ、麻の中でもリネンという言葉がよく使われるのでしょうか。
リネンは紀元前数千年からエジプトで使われており、世界最古の繊維であると言われています。そして人類の長い歴史の中でリネンが様々な用途で使われるうちに、例えばベッドリネンやキッチンリネンのように、リネンという言葉そのものが「布(製品)」という意味をもつようになったのです。
以上のことから、「リネンは麻の一種であるが、布製品のことを指す場合もある。」というのが結論になるでしょう。リネンという言葉が使われている布製品を手に取った際は、ぜひ品質表示をご覧になってください。麻と書かれていれば、リネンかラミーが使われています。
もっとも、リネンの場合はリネンと明記されている場合もありますが、それはリネンが良い素材であると認識されていると言うことですね。