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コラム

フィラメント糸とスパン糸

公開日:
2021.04.10

糸はフィラメント糸とスパン糸という2種類の区分けができ、それぞれの特徴を生かし使い分けます。

フィラメント糸

連続した長さのある繊維(長繊維)を撚り合わさって1本の糸にしたもののことです。
レーヨン、ナイロン、ポリエステルなどが例に挙げられます。

通常、「モノフィラメント」(化学繊維は複数の単繊維)を撚り合せて「マルチフィラメント」(複数のフィラメントが撚り合わさった状態)として使用します。
そのように複数の単繊維を撚り合せてつくった同じ太さの糸であっても、フィラメント自体が細く、合わさったフィラメントの本数が多い糸のほうがしなやかな糸となります。

モノフィラメントとマルチフィラメントについて
モノフィラメントとマルチフィラメントについて

スパン糸

短繊維を加工してつくる紡績糸のこと。ステープルヤーンともいいます。
綿、ウール、麻、アクリルなどが例に挙げられます。

綿や羊毛の「わた」を原料とし、それらの繊維が100mmに満たない長さがほとんどのため、繊維を束ねながら長い糸状に紡ぎ整える紡績の工程を必要とします。
フィラメント糸に比べて毛羽立ちがあり、比較的柔らかでかさ高に感じます。

どちらにも当てはまる絹糸

絹はフィラメント糸にもスパン糸にも分類することができます。
1本がおおよそ20Mほどある正絹はフィラメント糸です。しかし中にはそのままでは絹糸として使用できない屑繭などがあります。それらの細かい絹の繊維を紡績してつくった絹紡糸や絹紡抽出糸はスパン糸に分類されます。
つまり原材料の繊維長が短ければスパン糸に分類されるということです。

フィラメント糸に分類されている化学繊維も、切断して短繊維として紡績すると「化学繊維の紡績糸」=スパン糸となります。糸の分類は、原材料の素材によるものだけでなく、繊維長と加工方法によるものということになります。

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